11/24 宮城県短歌賞・歌人の集い

11/24(日)仙台市の東京エレクトロンホールで開催され、宮城県歌人協会(徳山高明会長)より県短歌賞が発表されました。まひる野仙台では、岡本勝代表(宮城県歌人協会副会長、宮城県短歌賞選考委員)と奥寺正晴さん、2名が出席。宮城県短歌賞は大和昭彦さん(所属:波濤)の「われのくさはら」、次席は大友圓吉さん(所属:歩道)の「慨嘆」、が選ばれました。まひる野仙台の奥寺正晴さん「ノアの方舟」は秀逸に選ばれました。作品(一篇20首)を紹介します。

 

 パソコンのキー打つ速さで生きている乾いた音で一日始まる

 アルカリと酸のバランスが崩れてる取るに足りない会話が足りない

 スマホ手に自分の世界に閉じこもる呪文のごとくタップアンドフリップ

 友達ではありませんかとフェースブックに見知らぬ顔がスマホに溢れる

 情報に取り残されて安心を取り戻してる テレビを消した

 喧騒を吸込んで降る夜の雨滴る水は濁り増しゆく

 セックスと詐欺、殺人の氾濫に間に合いはしないノアの方舟

 一元的価値を強いつつ混迷は深まってゆくテロルの時代

 ストレスを地球も発散するのだと弾けるような震度五の揺れ

 止まらない浪費に地球は痩せ細るグルメ雑誌を資源ゴミに出す

 空白の時の過ごし方が判らない胸の鼓動を確かめてみる

 一日を食べる速さで生きているファーストフードはもう食べない

 信号は歩く速さで変わらない息せき切って交差点わたる

 渦巻いてスクランブルする交差点道失って深呼吸する

 見渡せば見知らぬ人の群れの中今更ながら首が座らない

 どこにでも行けるがどこにも行きつかない足跡残らぬアスファルトの道

 もう少しゆっくり歩け毎日を鼓動の速さで生きていたい

 毎日を振り返ることの意味は何 綴じ代のない日記をつづる

 膝深く折って眠ればわかるはず同じであることだけが重要

 経験も知恵も役には立たぬまま高齢化進む今日誕生日

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。