8月の歌会:詠題は「野」「小」

8/9(土)13:00~15:00 台風接近にヒヤヒヤしながらも、9人から出詠あった27首を互評しました。題詠13首、自由詠14首から、自薦他薦の9首を紹介します。

 

 ひぐらしの輪唱森にとよもして小暗き夏の朝明けむとす(OM)

   とよもす(響もす):鳴り響く

 プランターに桔梗、紫陽花すんなりと並ぶ割烹料理も美味そう(SU)

 朝ドラに天皇陛下万歳の声聞こえくるこの忌まわしき歌(ON)

   歌:出征歌の意。

 わたくしを生きるということ薄れゆき青虫のごとレタス貪る(OH)

 野良牛と揶揄されし日より三年過ぐ福島の牛の潤む瞳想えり(OK)

   揶揄(やゆ):からかう、なぶる 三年:みとせ 瞳:め

 奥様のやることなすこときらいです いけずしないが我は小姑(HA)

 安全の為にと体をリードで繋ぐ子にも小さな尊厳はある(YA)

 蕺菜を刈りつつ思う幸せに縁がなけれどこれも人生と(MA)

   蕺菜(どくだみ):蕺の一文字で表すこともある

 声枯らし蜩が鳴く猛暑の夕に命つないで新生児泣く(KI)

   蜩(ひぐらし):カナカナセミ、「日暮」「茅蜩」「秋蜩」とも書く

 

季節柄、初夏を思わせる歌が多く寄せられ、戦争、震災など詠み続けることの大切さなどが話し合われました。また、使い古された言い回しにとらわれない新しい表現、詠んだ歌と自分とのつながりや関係の表現、句の繋がりや意味の明快さ、などが話題となりました。次回は9/13(土)、詠題は「木」「鈴」です。よろしくお願いします。(管理人)

 

追伸 先月、私(管理人)の氏名、漢字四文字を詠みこんだ歌をONさんが作ってくれました。今月は私がONさんにお返しです。

 日を重ねIchiroの名を成さしめし技極めゆく小さき野手は

「昌」の字を「日を重ね」とあらわしたのが自慢です。(思いつくまですごく苦労しました、笑)

 

 

 

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。