2014年

10月

14日

第42回東北短歌大会(10/13)開催

10/13(体育の日)仙台市シルバーセンターを会場に開催されました。今回のご講演は、福島県歌人会の伊藤正幸会長、「原発のうた」と題して福島の歌人が事故前と後でどのように詠んだかを多くの歌を引いてご講演、このような視点から歌を読み解くことは、鑑賞を超えて意味あるものと思います。大変興味深くまた感銘を受けるものでした。引用された歌人のお名前を紹介します。波汐國芳、佐藤祐禎、遠藤たか子、吉田信雄の各氏でした(敬称略)。

大会は出詠189首、参加130名、まひる野の岡本仙台支部長が今大会の事務局代表として全体をまとめられました。選者は日本歌人クラブ東北担当の林田中央幹事および東北六県から委嘱された計9名の方々です。各々20首を選歌、高得点歌が表彰されます。今回は1位が7点歌(7名の選者が投票)、以下2位5点歌4首、3位4点歌5首、4位3点歌11首でした。( )内は所属結社とお名前です。なお、私(奥寺)の歌は3点歌でした。 

 

7点歌 夫と子の遺影に由無し事言ひて一人のわれの今日が始まる

   (歩道 浦靖子)

5点歌 黄の色の明るき樹林を夫と行く視点の合はぬ会話などして

   (きびたき 菅野トシ子)

     半世紀わが生業の梨畑線量高く荒るるにまかす

   (楡 鎌田清衛)

     流されし家の跡地に生きつぎてノウセンカズラは地に這いて咲く

     (- 石井黎子)

           残照も燃え尽き黒ずむ山裾に実弾演習の閃光走る

         (泥の会 早川満)

4点歌 戦いに明け暮れし世の浄土とも夜明けにめぐる中尊寺の静けさ

     (地中海 千葉む津)

    男の孫の選びし職は消防士被災後三年の就活を経て

     ( -  中山くに子) 

    やんちゃ君も泣き虫われも手をつなぎ「ふるさと」歌う傘寿の集ひ

    (群山 窪田碩子)

    話さねばさびし話せばなほさびしわたしの孤独は言の葉の裏

          (寒流 佐々木翠)

   七年を亡母と在りたる車椅子涼しき木陰に拭き浄めゆく

    (橄欖 三船武子)

 

まひる野会員からの出詠は3首でした。紹介します。

外つ国より来たりし花嫁お早うと日本語さわやか朝の挨拶(秋田 斉藤諒一)

訪えば食器の汚れに推し量る一人暮らせる母の食事を(仙台 奥寺正晴)

我が想いうつりしごとき写真なり苦笑いしつつ鏡をのぞく(北上 熊谷郁子)

 

来年は北上の現代詩歌文学館を会場に(11/8)開催予定とのこと、大変すばらしい会場で一層の活況が期待されます、とても楽しみです。

http://www.kitakami-kanko.jp/kanko.php?itemid=185&catid=339

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。