第25回宮城県短歌賞・歌人の集い

11/22(土)東京エレクトロンホール宮城にて第25回宮城県短歌賞・歌人の集いが開催されました。県在住の歌人50人からの応募があり5名の審査員の方々により県短歌賞1篇、次席1篇、秀逸3篇、佳作9編が選ばれ、発表、表彰されました。毎年9月に新作未発表20首一組が公募されます。作歌経歴の新旧を問わず、独自性、新鮮度、品格等を勘案し、務めて新風を求めるものとする、とされています。どなたでも応募できますので、来年ぜひ挑戦を!

画像は、右から短歌結社地中海の金澤孝一さん(司会)、宮城県芸術協会佐久間晟さん(挨拶)、宮城県歌人協会副会長岡本勝さん(まひる野の仙台支部長)、短歌結社群山の佐藤淑子さんです。(ピンボケでした、すみません)

まひる野仙台からは、私、奥寺正晴(ホームページ管理人)の「青き船」秀逸に選ばれました。昨年に続いての入選です。では、県短歌賞の小野寺寿子(仙台市)の「栗だんご」と私の「青き船」をご紹介します。(文字・文ママ)

 

宮城県短歌賞 「栗団子」 小野寺寿子(仙台市)  

 秋風がささやくように吹いてきて赤ままの花静かに揺らす

 たおやかな若き女を恋うる短歌夫はつくりてわれに見せくる

 そういえば夫は秋咲く花が好きその娘優しくコスモスのよう

 おもむろに厨にたてば西空を見上げてみよと夫の声する

 窓に見る空はいちめん夕焼けて今のわたしを忘れてしまう

 非はわれにあるかもしれず献身の鶴女房にならず古りたり

 わが病告知されし日傍らに夫つきくれし夜の更けるまで

 道端の風露草掘り病室の窓辺に夫は飾りてくれし

 貝殻を拾う如くに思い出のひとつひとつを集めておりぬ

 つぶつぶと小紫の実色づきて今年の秋もわれは生きてる

 ハンカチは微かに白く浮きたちて真の涙まだ流せない

 透き徹るオカリナの音に惑いたる心ゆっくり濾過されてゆく

 朝明けの光差しきて一日の花びら開く白き木槿は

 濯ぎ物を羽根の如くにはためかせ夫は空へと飛びたそうなり

 この事もあの事も皆過ぎゆかむ明るき昼を赤とんぼ舞う

 栗だんご腹いっぱいに食べたしと言えば車を走らせくれる

 夕空をたなびき流れる茜雲夫の夢見る天女にあらむ

 みかん色の月眺めつつ窓の辺に中也の詩集読み始めたり

 月の夜の浜辺に今もあるだろかボタン一つとわれのハンカチ

 片恋を一つせしのみ乙女子は古りて月夜に栗だんご食む

 

秀逸 「青き船」 奥寺正晴 (富谷町)

 宇宙船地球号に火花飛ぶガザウクライナシリアウイグル

 我々は青き地球の操縦士イスラム教徒もキリスト教徒も

 ひび割れも歪も無きまま宙を行け地球は青き船にてあらむ

 地球号の亀裂の進みを気にしせりヘイトスピーチの声高な日に

 敬愛も諍いの芽も我にあり地球号という船に生まれて

 無抵抗非暴力より自爆テロ地球号軋みひび割れ走る 

 マンデラもガンジーもいない地球号プルトニウムに重心ぶれる

 鈍色のプルトニウムの塊を僕は知ってるウィキペディアで見た

 ランボーが一人で敵をなぎ倒す戦争知らない世代の戦争

 今すぐに平和を科学しなければターミネーターがやってこぬうちに

 知らぬ間に人類と書いてあるのかもレッドデータブックを思わずめくる

 戦場を無人機は飛ぶ軽々と爆撃開始はボタン一つで

 戦いを呼び起こす如き現代の黒魔術なる武器見本市

 愛国とテロの狭間に自爆する戦士は一人の市民でありき

 報復の悪魔は小さく胸にいて愛国という囁きを待つ

 信頼を裏切りしもの原子炉のメルトダウンにSTAP細胞

 抑止力は行使力の同義語とネットに書き込みしそうなこの頃

 何だろう最後に僕が頼るもの神様それとも核抑止力

 生存者はスペースラボに若干名アダムとイブの創世記始まる

 

 あらためて目を通すと、我ながら勢いだけで・・・ 四首目「気にしせり」は文法的に間違いで、「憂いおり」「気にすなり」などが適当です・・・・(奥寺)

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。