2015年

11月

30日

11/29 宮城県短歌賞・歌人の集い 開催

 26回を数える「宮城県短歌賞」は未発表近作20首について「作歌経歴の新旧を問わず、独自性、新鮮度、品格等を勘案し、つとめて新風を求めるものとする」ことを趣旨として公募されました。51篇が寄せられ審査結果が、11/29歌人の集いにて発表されました。まひる野仙台からは奥寺正晴(HP管理人)が出詠、次席表彰を受けましたので紹介します。(写真は宮城県歌人協会長として挨拶される岡本まひる野仙台支部長)

 

 <資源>

 血液を蚊が吸うごとく地球より資源吸いたる人と言う生物

 石油掘る金銀を掘るウラン掘るあばたの地球はマグマの血を吐く

 生皮を剥がるる如き痛みかな近く資源を地球は削られ

 生きるとは資源を浪費することと嘯いて食う秋刀魚は苦し

      嘯いて:うそぶいて   

 一切れのマグロを食えば我もまた資源枯渇を進める生き物

 一生に腔カロリーを資産せりゼロ連なりて電卓溢るる

 人知れず太古のウィルスが生き返る深層資源とともに掘られて

 自転さえよろめく地球一年に六億トンの鉄が掘らるる

 転寝を迷惑メールに乱されて電波の浪費と毒づいてみる

 地球という電子レンジの中に居り電波のシャワーを浴びて暮らせり

 深海にマジックハンドを拡げ這うキメラの如き資源探査船

 狩りの目で星に紛れて周回す資源探査の人工衛星は

 アミロイドベータの如く産廃は地殻に染み入り地球を犯せり

 分かち合うことを知らざり奪い合う全休的に病む人類は

 足ることを知らざればなお奪い合う今は資源をかつては奴隷を

「その昔、地球は青かった」とツイッターして地球を発たむ宇宙飛行士は

     宇宙飛行士:アストロノーツ

 いくつもの国の資源に依りてなる我が夕餉なり有り難きかな

 足ることを知る年齢になりたれば最小限生活を楽しみ生きむ

     最小限生活:ミニマルライフ

 一粒の米に実りし労働と知恵を想えり資源無き国の

 我死なば土に還るを願いおり我終末は元素に戻らむ


大変、褒めていただき恐縮しています。「如き」という言い方は多用すべきではない、「かな」と詠嘆するのは俳句を思わせるので控えた方がよい、などの評をいただき、あらためて自分の癖に気が付きました。理系男子?の歌はなかなかないので希少価値なのかもしれません。一昨年から受賞が続いており、佳作、秀逸、今回次席と少しづつ上達?してきているのかもしれません。これからも頑張りたいと思います。ありがとうございました。(奥寺正晴)


  宮城県短歌賞 中有の日まで 朝長スミエ (波濤)

  次席     逆縁挽歌   菱沼愚人 (創作)

         資源     奥寺正晴 (まひる野)

  秀逸     大和昭彦(波濤)、谷澤美奈子(地中海)、

         内海おり子(覇王樹)


まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。