7月の歌会(7/9)

「野」「原」を詠題に13首、自由詠16首、計29首が集まりました。今回、平間さんがこのHPをご覧になり見学に来られました。思い思いの互評と学びを楽しんでいただけたと思います。次回もおいでいただけますよう願っています。では、いつもの自薦他薦の9首をご紹介します。

 

母子五人防空壕に潜みたる「とと姉ちゃん」の少年時代(ON)

 いつまでも詠み継がれるべき歌材。詠者の体験と重なるのかも。(管理人)

列島に雲登り来て梅雨便り気流の動きは夏に向かひぬ

 日本列島の季節の移りを思いました。(SA)

歌会に君と出でゆく昼下がり祭囃子の聞ゆる街を

 歌会の楽しさに踊り出しそうになりがら参加しています。(OM)

様ざまな野鳥の声に嬰児の泣き声混じる夏の窓辺は

 八木山に住んでいるので美しい鳥の鳴き声を毎日聞いています。(OH)

胸に手を当ててみている野の花のつぼみのままにしぼみ落ちるを(IM)

 淋しげな吐息がいまにも聞こえてきそうです。(管理人)

屋根瓦崩れしままの空家の戸届け物労ぐ貼り紙古りぬ(HI)

 時間の流れ、過去と現在の間の空白、悲しい現実をも感じます。(管理人)

野の山を埋める山百合精霊のただようごとく静かに咲けり(YA)

 歌会出詠の歌の下の句は「亡き人の集うが如く厳かに咲く」でした。互評の中 

 で詠者自ら詠み替えたものです。いかがでしょうか。(管理人)

若竹の皮外れては外れてはわが締めくくる「老」成りがたし(MA)

 「老成」することさえも難しい、そんな世の中なのかもしれません(管理人)

一家して野にピクニックの思い出は父の大きな怒声をも包む(SU)

 父親の怒声さえも”楽しさ”が包んでしまう思い出、いいですね(管理人)

野を駆ける子供の如き昂ぶりを置き忘れしか今日梅雨に入る

 ”年齢”を少し意識するこの頃、気が付けば今日、鬱陶しい梅雨の入り。(OU)

 

              嬰児:みどりご 労ぐ:ねぐ(労う:ねぎらう)

 

 以上9人9首をご紹介しました。8月歌会をお楽しみに。見学はいつでも歓迎です。(場所:仙台市青葉区中央市民センター(東二番町小学校裏手))

  

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。