11月の例会(11/12)

11/12(土)開催され、 詠題「雨冠の漢字を使って」により14首、自由詠16首の計30首の互評を行いました。いつものように、自薦他薦の10首をご紹介します。

 

一歩ずつ七大陸を制覇せし田部井淳子は雲のかなたに

 残された人生、一歩ずつ歩みたいと田部井さんが亡くなってそう思った(YA)

新潟に生まれて日立に引越せば雪の代わりに焼夷弾降る

 少年時代の戦中戦後を想って(ON)

しぐれ過ぎ茜に棚引く夕雲にひとり遊びし寂しさ戻る

 人見知りの激しい内気な少年時代(今も)を茜空に思い出しました(HI)

生れたての仔牛のようによろよろとトイレに立ちぬ外は朝靄

 仔鹿のように・・では可愛らしすぎるので、仔牛のように・・と(OM)

ほの白く遺影を照らす雪あかりいくつもの瑕闇に沈めつ(IM)

 冷たい静けさの中、詠者がひとり遺影と向き合う姿が目に浮かびます(管理人)

海霧に釧路の街は黙したり鷗鋭く鳴きて紛るる

 生まれ育った釧路の街は夏にはことさら深い霧に覆われるのです。(OU)

重力をはずすがに飛ぶ鳶どちに生活の愁い亡きと思えり(MA)

 軽々と飛ぶ鳶たちは生活の愁いなど無いのだろうなぁ(管理人)

寂しさの遠景のごと秋は来て芒は銀の手のひらを振る

 秋のもの寂しさを銀色で表現したかった(OH)

トサミズキ紫蘭花咲き枇杷みのる庭いまいずこ母熟寝せり

 母の手入れした庭は、母老いて今はなく、にもかかわらず母は時折り花々のこ

 とを思い出す(SA)

悲しみも悔悟もなべて吸うごとく広瀬川光り静かに流る

 引き揚げて子供四人と母との生活、苦しくも思い出多い日々でした。広瀬川の

 流れにほっとします。(SU)

 

   朝靄:あさもや 瑕:きず 黙す:もだす 生活:くらし/たつき 

   芒:すすき 熟寝:うまい  

 

次回は12/10(土)13:00-15:00 いつもの市民センターで開催です。いよいよ今年も師走、1年の振り返りとして、詠題は「年・歳」の3首です。見学、問い合わせをお待ちしています。(管理人)

まひる野

 東京に本部を置く全国的な短歌の会です。窪田空穂の第一歌集「まひる野」から命名され、生活実感を尊重し、詩としての豊かな表現力を希求します。自然や日常を細やかな温かい視線で詠んだ歌が特徴です。詳しくは「まひる野」のページをご覧ください。

 

<仙台 月例会について>

毎月第二土曜日に仙台市内の市民センターの一室で午後一時から概ね二時間程度です。流れを紹介します。

 

(1)その月の決められた主題に関する歌1首以上を含む自作3首の歌を提出します。

(2)作者を伏せてプリントアウトしたものが当日配布されます。自分以外の方の歌をそこで初めて目にすることになります。

(3)全部で20~30首になります。リズムを確かめながら音読します。意外に難しい漢字や短歌独特の言い回しに出会うことも学びの一つです。

(4)20~30分程度をかけて、各自で、自分の”お気に入り(共感、卓越、感嘆、臨場感などを感じる歌)”を5~7首程選びます。その中でも”これは!”という歌一首を特選として選びます。

(5)特選2点、”お気に入り”1点として集計し、合計得点の高い歌から互評します。互評というのは選んだ理由を自分なりに説明するということです。

(6)互評の過程で多くのことを学びます。技術的には不十分でも感性として高く評価されることもあります。またどんなに整った歌でも共感を覚えない、伝わらない、ということで点数が入らないということもあります。自分の歌がどう評価されるか、ということに目が行きがちですが、実は自分が選んだ理由をどう説明するか、ということが非常に大切です。

(7)一通り互評が終わると、各種の情報交換を行い終了です。高得点でも賞金はでません(笑)。次回の日程、主題など出席者で話し合って決めます。「○○に関する歌」という具合です。